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美しいモノ、おもしろいコト、あたたかいヒト。 重度知的障害を伴う自閉症スペクトラムの娘すずとの暮らしは、 それらを発見する小さな喜びにあふれる毎日です。 笑いと涙がてんこ盛の日々を気まぐれに綴ります。


by suzu-mama

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保育園(幼稚園)・療育施設選び、今思うこと。

感覚過敏があったり、コミュニケーションをとるのが苦手な自閉症・発達障害のある子にとって、はじめての集団生活の場である保育環境はとても重要。
健常児(定型発達児)さんと触れ合える保育園(幼稚園)がいいか、療育施設がいいか、併用がいいか、悩みますよね。
もう9年も前の話ですし、市町によって環境はさまざまですが、わが家の例を。

わが家は一般の保育園しか選択肢がなかった
当時、私は正社員、パパはフリーライターだったので、会社を辞めたくても家計的にそれはかなわず、すずを1歳半で保育園に入園させるしかありませんでした。
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療育施設も検討しましたが、市には当時親子通所の療育幼稚園しかなく正社員勤務の私には不可能。
少し離れた市にある療育保育園に預けるほどの自閉症の強い症状はまだなく、診断も出ていなくて、すずを連れて子育て支援課に相談しましたが、「療育保育園でなくても大丈夫では? 今その療育保育園は多動性のある男の子が多いので、おとなしいすずちゃんにはつらい環境かも」とアドバイスをもらい(当時のすずは多動性もパニックもなくおとなしかったんです)、家や職場から遠かったのもあって、その療育保育園の選択肢は消去。
「障害児保育あり」と市が認定(助成)している保育園に預ける以外選択肢はなかったのです。

会社の復帰時期は子どもの1歳の誕生日後の4月1日と決まっていましたし、まだ私一人が自閉症かもしれないと疑っていただけで診断も出ていなかったので、「保育園以外に選択肢はないよ。しかたないよ。」と自分に言い聞かせて入園させました。

入園後、すずが集団生活についていけないようす、他の子よりかなり成長が遅いようすを見て、毎日ひっそりお風呂(お湯の中)で泣きながら「これでいいんだろうか。ちゃんと育って行くんだろうか」と悩みました。

軌道修正もできる。まずは専門家の意見+母の勘+母の負担感で決める
3歳で自閉症スペクトラムという診断が出てから、療育保育園についてまた調べ始めました。
ホームページを見て、以前からいいなあと思っていた隣町の私立の療育保育園が、週に数日なら入園できそうと聞き、検討したのですが、日中一時支援をつけて延長しても9時〜16時半までだったので、正社員勤務の私たち(その頃はパパも会社員になっていた)には送迎不可能…。
悩んでいたころ、とびひで診てもらった信頼しているかかりつけの小児科の先生が、子育ての困難さを察してくださって、「おかあさん、そろそろすずちゃん、療育保育園に行った方がいいんじゃない?困ることも出てきたんじゃない?」と声をかけてくれました。
パパの実家が療育保育園に近かったので、じいじ・ばあばに週2日、送迎をお願いして(私たちは実家に送迎して)、と考えたことはあったけど、言い出せずにいた私の背中をポンと押してくれたのです。じいじばあばもいいよ、と言ってくれて、年中からは公立保育園と療育保育園を併用することになりました。(じいじ・ばあばに感謝です)
年長のときは、療育保育園から「週5日でも預かれますよ」と言われたのですが、その頃には公立保育園で障害のないお友だちと過ごすことの効果も感じていたので、両方の園の先生と作業療法士さん、言語聴覚士さんに相談して、療育保育園の割合を増やしつつ、併用を続けました。

3歳の初診で軽中度の知的障害と自閉症スペクトラムだったのが、5歳で重度知的障害と診断されたので、就学時はそれこそ選択肢はなく、特別支援学校に決まりました。今小4(2019年7月現在)ですが、毎日楽しく通っています。

専門知識よりもマインドがあるかどうかが大切
今になって思うのは、「保育の場は、子どもに合わないなと思ったら途中で変更したり児童発達支援サービスで療育を追加したりして軌道修正もできる。そもそも定型発達児ではないので、やってみないとどんな環境がどんな成長をもたらすかは誰にもわからないし、定型発達児さんよりもゆっくり育っていくので、そんなにはじめの選択で不安や焦りやプレッシャーを感じなくてもよかったな」ということ。

それと、「どんな種類の園を選ぶか」よりも、「理解して支援してくださる保育者がいるか」の方が大切、「専門知識が高いこと」よりも「専門知識がなくても、親とともに学び、対応策を試行錯誤してくれる意識(マインド)が高いこと」が大切で、保育者の理解・マインドがあれば、専門の施設でなくても理解を深めて支援方法を模索していけば子どもは伸びるんだ、ということを実感しています。

園を選ぶときに自分が理想的だと思っていた「療育保育園に毎日通わせてあげること」はできなかったし、できる状態になってもしなかったけれど、保育園・療育保育園の両方の先生方の理解とマインドのおかげで「一人で育てるんじゃない、みんなで育てていけばいい」「一緒に学び、悩み、対応してくれる人がいる」という安心感をもらい、悩みながらも親子ともに楽しい日々を送ることができました。すずも、少しずつですが、思いもよらない成長を見せてくれました。
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私が感じた保育園、療育保育園のメリット・デメリット
公立保育園と療育保育園の両方に通わせてもらった経験者として、それぞれのメリット・デメリット(あくまですずと私の場合ですが)を挙げると、

【公立保育園のメリット】
・まわりにたくさん定型発達のお子さんがいるので、視覚的な記憶力を活かして模倣することでできることが増えた。
 (大人の模倣より子どもたちの模倣で覚えることが多かった)
・定型発達のお子さんは、すずのことをある程度理解して、音や触覚の過敏さに気をつかってくれることもあったので、落ち着いた環境で過ごせた。(障害がある子同士だと、お互いのパニックにつられてパニックを起こすことも)
・家以外にも地域に安全安心な場ができた。
・集団のなかでの動きを察して動けるようになった。
・療育保育園よりもたくさんの人数で過ごすことが多いので、少しずつ音過敏などにも慣れてきた。
デメリットは、心の持ちようや性格にもよりますが、まわりのお子さんと比較してしまうと親がつらい気持ちになる、他の保護者への理解を得るために努力や勇気が必要、まわりのお子さんに迷惑がかからないかヒヤヒヤする、園外行事などは付き添うことが多く正社員だとスケジュールが厳しい、といった感じでしょうか。

【療育保育園のメリット】
・絵カードによる指示、スケジュール提示など、構造化がしっかりされた環境で、指示が頭に入りやすい。
・先生とマンツーマンに近い形でトイレトレーニングや着替え、食事の訓練をしてもらえる。
・障害や療育の知識・経験があり、理解してもらいやすい、一緒に問題解決策を考えてもらえる。
・障害児の親同士で悩みや情報を共有できる。(障害理解のある病院情報などはとてもありがたかった)
デメリットは、大人との関わりが多くて安心だけど子ども同士の関わりが少ない(関わりが苦手なお子さんが多いので)、障害のことを日々地域の同世代の子どもたちや保護者に知ってもらう機会にならない、障害児の親だけでかたまってしまうと視野や行動範囲がせまくなる恐れがある、などでしょうか。それも心の持ちようや性格にもよると思いますが。

すずは、「保育所等訪問支援」という福祉サービスを受け、療育保育園の先生が公立保育園に行って、専門的なアドバイスをしてくださいました。
それと、公立保育園の加配の先生が、病院での作業療法、言語聴覚療法を見にきてくれました(親が病院にリハビリ見学の申請すればできる)。2つの園と家庭が連携して支援方法を統一できので、両方のメリットが活かされ、どちらも楽しく通うことができました。

▼公立保育園と療育保育園、2つの園を笑顔で卒園
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親子が今、毎日笑顔でいられる環境を選ぼう
あくまで私の個人的な意見ですが、保育の場の最初の選択は、

1)専門家(保健士、心理士、作業療法士、言語聴覚士、小児発達の専門医など)に
  どんな環境でどんな保育(教育)をするといいか相談して、それぞれの視点からの意見を聞く
2)母(=もっとも関わる時間の多い保護者。以下同)の勘(どんな環境が今のわが子に合うと感じるか)
3)母が送迎する負担
4)母が意思疎通しやすいか、信頼できる支援者がいるか

を踏まえて決めるといいのではないかと思います。
そして、どこに入園するにせよ、支援してくださる方としっかりと意思疎通し、家庭と園が連携して、子どもにとってよい環境をつくっていくことが大切だと思います。就学先、放課後デイサービス選びも同様です。
通常学級、特別支援学級、特別支援学校を決めるのは、子どもの知的能力や身辺自立度は考慮しますが、それよりも「母と子が一番笑顔になれる環境はどこか」(理解者・支援者がいるか)がポイントだと思います。
実は、脳の機能はある程度生まれつき決まっている部分が多いので、学力なんてあとからでも伸びます。
幼いときから安定した情緒や社会性、自己肯定感をしっかりと身につけていれば、落ち着いてきてから勉強しはじめても、ちゃんと習得できるんです。
だからこそ、幼いうちは、とにかく情緒の安定、つまり、親以外の人とも安心して過ごせること、家以外でも安心していられること、人を信頼する気持ちを育むこと、人といる楽しさを味わうこと、自己肯定感をもつことが大切なんです。(編集の仕事をしていたころ、たくさんの方に取材してきて、短期間でしたが人事の仕事で採用教育に携わってきての実感です。)

療育や特別支援教育を受けることは、その子に合った環境・手法で子育てすること。何も恥ずかしいことではない
講演をさせていただいていると、親が世間体を気にして、障害があると思われたくない、思いたくないために、また、学力を重視しすぎて、障害がないものとして一般の幼稚園・保育園に入園させる、小学校だと通常学級に所属させる、といった例がたくさん聞かれます。
その結果、自分の特性(障害特性)に合った環境づくりや支援をしてもらえない状況に長く置かれた子ども本人が毎日つらい思いや無理をして、二次障害として暴力的になったり、不登校になったり、うつ状態になったり、自己肯定感を持てなくなったり、という切ない結果をたくさん耳にしますし、私の身近にもそういう人がいます。

子どもに障害があること、障害でなくても課題となる特性があることを認めず、療育施設、特別支援学級に入れたがらない親御さんには、障害があることが将来の就職で不利になるのではないか(=普通高校卒の学歴がほしい)、ということや、きょうだいが偏見や差別で苦しまないか、という気持ちがあるのかもしれませんが、もっとも将来の就職に支障が出るケースは、いわゆる「普通の子(定型発達の子)の型に押し込んで療育や特別支援教育を受けてこなかったことで、学力や生活スキルなどの能力はあるのに情緒面に問題が出る、感情コントロールできない、社会に適応しない、という場合です。

普通の子として育てられてきたので療育手帳もなく、福祉サービスも受けられず、障害者雇用枠にも適用されず、障害年金ももらえない、でも一般雇用ではうかくいかない、何より、「どうして自分はこんなに怒られてばかりなんだろう。みんなと同じことができないんだろう」と自己肯定感を持てなくてつらかった、もっと早くに親が障害であることを認めてほしかった、というようなお話を、絵本の感想コメントや講演の座談会で、30代以上の当事者から何度も聞きました。
また、きょうだいのために、障害のある子の障害を隠す、周りからはわからないようにすること自体が偏見や差別ではないかと感じます。障害は誰のせいでもないので、本人はもちろん、親もきょうだいも、堂々としていてほしいと思います。障害の症状によって迷惑をかけてしまうことが多いので、周りへのお詫びや感謝の気持ちは表しつつも、恥じることなく自然にしていてほしいのです。

障害があるお子さんを育てているおかあさん、ご家族のみなさん。
どうか、環境を選ぶときには、「将来」の学力とか世間体とかではなく、「今、親子が毎日笑顔でいられる環境」を強く意識して選んでください。今笑顔でいられなければ、笑顔の将来なんてありません。
そして、あら?合わないかな?と感じたら、専門家や先輩ママに相談して軌道修正すればいいというやわらかい覚悟をもってください。

大丈夫。信頼できる理解者・支援者がいる環境なら、少しずつでも子どもは必ず成長します。
子どもの障害による症状、課題があるという事実は変わらなくても、理解者・支援者がいれば、親はその対応策をあきらめずに工夫する意欲が保て、環境はよくなっていきます。親の情緒が安定し、環境もよくなれば、子どもの自傷・他害・パニックも少しずつ減っていきます。
すずも、小4になって、かなり待つことや自ら動くことができるようになり、意味のある発語が増え、パニックもぐっと減りました。
わが家の一例にすぎませんが、園選びに悩む方のヒントになればと思います。
私も、これからも進路選択、居場所選びに悩み続けると思いますが、一緒に悩んでくれる理解者・支援者を見つけて相談しながら一つひとつ進んでいこうと思っています。

それにしてもすず、小4現在、職業につながるような才能・能力はまだ見当たらず、身辺自立もままならず、知的障害も直近のものでは最重度との判定・・・。
字面だけ見ると前途多難ですけど、なんか毎日親子ともに笑って暮らしているからいいかな (^_^;)
笑顔の毎日を積み重ねれば、笑顔あふれる人生になりますもんね。1日1日、こつこつと。

▼特別支援学校の参観日。生活単元のお祭りの授業でにっこり。
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by take-suzu_2016 | 2019-07-22 16:29 | 保育園まで | Comments(2)
Commented at 2019-09-06 16:47 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by take-suzu_2016 at 2019-09-10 12:56
> ゆうりさん
はじめまして。私もすずが1歳半〜3歳くらいまでが一番悩みました。「要観察」「様子見」「グレー」「ボーダー」と言われても、どうしたらいいかがわからなくて不安になるだけですよね。
お子さんの障害の度合いやタイプ(人といるのが好きか一人が好きか、音過敏などが強いかなど)、おかあさまの時間的余裕(仕事を減らしたり辞めたりできるか)などの情報がわからないので参考になるかわかりませんが、記事にご相談いただいたことのヒントとなるような内容をまとめてみましたので読んでみてください。(長文です)
まだ1歳代、焦らなくてもだいじょうぶ!(と昔の私にも言ってあげたい)

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