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美しいモノ、おもしろいコト、あたたかいヒト。 重度知的障害を伴う自閉症スペクトラムの娘すずとの暮らしは、 それらを発見する小さな喜びにあふれる毎日です。 笑いと涙がてんこ盛の日々を気まぐれに綴ります。


by suzu-mama

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療育は、焦らず無理なく。

講演やSNSで、すずの療育歴や心がけていることなどをご質問いただくことがあるので、療育について(特に小学校に入るまでを)まとめてみました。

診断がつかなかった3歳まで、また、診断がついても、保育園、療育保育園、リハビリ(病院での作業療法・言語聴覚療法)に慣れるまでは、よくかんしゃく・パニックを起こしていた幼児期。
はじめての子育ての上に障害のことも勉強しないと日々困ることだらけで、何もかも手探り。
今思えば本当に大変だったなあ。今も大変だけど、慣れと、少〜しずつだけど成長してできることが増えたことと、私のストレス耐性がますます強くなったことで、楽になった気がします。

障害の程度やその子の性格、親の性格、母親以外の支援者の有無や協力度、家計、生活スタイルなどで、療育のしかた、できることできないことも違うので、あくまで一例ですが、似たタイプの方の参考になれば。

【すずの障害の程度について】
  • 3歳のときに自閉症スペクトラム(知的障害を伴う)と診断される。
  • 知的障害:療育手帳の検査で、3歳で軽中度(手帳B)、5歳で重度(手帳A)。小3で知的障害は最重度(DQ19)に。喃語は赤ちゃんのころからあり、おうむ返し(ことばの意味はわかっていないけど聞いた音を真似る)は2歳くらいからあり。ことばの理解力はかなり低く、クレーンでの意思表示が主だった。
  • 自閉度:中度(親の見立て)くらい。人が好きで乳幼児期から目はよく合い、よく笑い、感覚過敏は気圧に弱いくらいであまり強くなく、こだわりも強くないので代替案を聞き入れてくれるので、なかなか診断がつかなかった。かんしゃく、パニックも、気圧の変化や眠い、お腹すいたといった生理的な不快時にあるくらいで穏やかで機嫌のいいタイプ。3歳くらいから多動になり、自我の目覚めとともにだんだんかんしゃく、パニックが多くなってきた。
  • コミュニケーション方法:主にクレーン(人の手を使っての動作)。目を合わせて、細かい動作指示をクレーンでするので、支援してくれる方にはけっこう伝わるよう。小4現在は、クレーンはだいぶ減り、簡単なマカトンサイン、絵カードによる理解(表出はほぼなし)、20単語くらい発語はあるが、ときどきしか発しないので、ほとんど視線とクレーンとマカトンサインでコミュニケーションしている。

【保育園・療育保育園】
  • 私(母親)は、時間外労働制限の申請はしていたものの、総合職正社員として出張もあるフルタイムの仕事をしていたので、すずが1歳半のときから、保育園(私立→翌年から公立)に預けざるを得なかった(当時、市には親子通所の療育施設しかなかった)。
  • 朝8時半ごろ会社に行き、17時半に上がって18時ギリギリに保育園にお迎えに。会社でも家でもトイレに行く間もなく、よく膀胱炎になっていた(笑)。パパの帰りはだいたい20時で、一番情緒が乱れ、かんしゃくが多い夕方、保育園から泣いて暴れるすずをおんぶして帰り、ご飯を食べさせてお風呂に入れて・・・ドタバタ、ヘトヘトのワンオペ育児の日々。
  • すずが年中のときに、療育保育園に空きができ、週2日通うようになる。預かり時間が短く、送りも迎えもフレックスタイムを使っても不可能なため、パパの実家に朝早く預け、送り迎えをお願いして、夕方私が帰るころ家に連れてきてもらうというリレー送迎で2年間通った。年長のときには週3日に。じいじ、ばあばに感謝!

【リハビリ・療育】
  • 1歳半健診、2歳健診で発達相談しても診断がつかなかったので、2歳の終わり頃、東京の民間ABAセラピーをしているところに無料相談に行き、その後月1回、自宅でペアレントセラピーをしてもらった。すずの知的能力、セラピーを受けていたころの発達段階、性格からすると、ABAはその頃はあまり効果を感じなかった(強化子がないくらいぼんやりおっとりしていて、理解度も低かった)が、ABAの手法を学べたことはとてもよかった。セラピストさんが転職(独立)されて担当してもらえなくなったことで、ペアレントセラピーは数回で終了。
  • 3歳で自閉症スペクトラムの診断がつき、OT(作業療法)とST(言語聴覚療法)のリハビリを月2回ずつ受ける。
  • 上述のように、年中のときには週2日、年長のときには週3日療育保育園に通い、TEACCHを取り入れた園で療育を受ける。

【今思うこと:「療育、療育」って焦らなくても大丈夫だったな〜】  ※ あくまで個人の見解です。
診断がつかないけど私は自閉症だと確信していたすずが2歳のころ、早く療育を受けたくて(療育の正しい知識を学びたくて)、焦っていました。
育児書を読んでも、子育て経験のある人に聞いても、一般的な成長具合とは違い過ぎて、すずをちゃんと育てられている自信がまったくもてなかったからです。
ことばも話せないし、変わった行動をするし、泣いたり怒ったりする理由も対応もわからない。私は自閉症に関する知識はある程度ありましたし、メンタルはかなり強い方なので、ネットで調べながら試行錯誤していましたが、どれも効果を感じない、もうアイデアが浮かばないときには、「何かつらいんだよね、でも何がつらいのか、どうしてあげたらいいのか、ママもわかんないよおぉ〜〜〜。すずは悪くないけど、私も悪いことしてないのになんで私ばっかりこんなに大変なのよおぉ〜〜〜」とすずと一緒によく泣いていました。
早く適切な子育て(療育)を始めないと、この子にちゃんとしたスキルをつけてあげられない!生きづらくなってしまう!世間に迷惑をかけないように育てられるだろうか?幸せになれるだろうか?私の育て方如何でしゃべれなくなったりしないだろうか?と不安を抱きつつ、仕事では異動もあればシステム変更や人間関係の問題もあれば大きな金額を扱う責任もあれば・・・でとてもストレスフルな毎日で、生活を回すだけで精一杯で、「民間や県外でも療育施設を探して通った方がいいのかな。お金の心配なく、仕事をやめれたら、毎日療育に通えるのに。そうしたら、子育ても楽になってすずもちゃんと成長するのかな。・・・」と苦悩する毎日でした。
とは言え、保育園と療育保育園の両方の行事や参観・面談、月2回のリハビリ、3カ月に1回の診察、発達検査、福祉関係の申請更新手続きなどで月の休日も有休も消えて、私の体力気力はすでにいっぱいいっぱい。
すずにとっても、2つの園とリハビリに通うのは体力気力ともに限界だったと思います。

でも。
すずが小4になった今は「な〜んだ、焦らなくても大丈夫だったよ〜。」と感じています。(もう一度言いますが、 あくまで個人の見解です)
だって、定型発達の子よりもゆっくりゆっくり育つんですもん。診断が出て、リハビリを受け、子どもに合った環境(保育園、幼稚園、療育施設などどこでも)で親以外との関わりも大切にしながら暮らしていけば、少しずつだけど育っていくんだなあと実感しています。

すずは、保育園、療育保育園、リハビリとこなし、「保育所訪問支援」をお願いして療育保育園の先生が保育園に見学しに来てもらい、保育の方法を統一してもらって、家でも連携して、繰り返し繰り返し毎日の生活の中で教え続けていたら、できることが増え、すずだけでなく私たち親も笑顔が増えました。

保育園では同じ年のお友だちの行動を真似ることで観察力や生活リズム、チャレンジ精神、期待していなかった発語力が伸び、療育保育園ではマンツーマンに近い形で丁寧にライフスキルを教わったことで、服の着脱や食事のスキル、集中力(普通に比べたらないですが)などが伸び、それを家でも繰り返すことで、経済的・精神的に無理のない範囲(というか無理できるギリギリの範囲)での療育でしたが、それなりに効果があったと感じています。

卒園後は、病院のリハビリがいっぱいで小学生になるとOT、STを受けさせてもらえないのでどうしたものかと悩みましたが、特別支援学校に入学し、放課後デイサービスで作業療法士さんや支援員の方々と相談しながらリハビリでやっていただいていたような課題をやってもらい、今度は家庭と学校やデイで連携して同じ課題や教え方をしていたら、「この子はしゃべれないよ」と言われた最重度知的障害のすずが、「ママ」「パパ」「おいで」「さようなら」「あけて」「ちょうだい」「きもちいい」「おいしい」「たのしいな」などのことばをタイミングよく使うようになり、一生手づかみかスプーンかと思っていたらトング型のお箸を使えるようになり、自立もできないのにお手伝いなんて無理だと思っていたら洗濯物を干したり、テーブルを拭いたり(ちょっと真似る程度ですが)、片付けをしたりできるようになり、小さな成長を感じるようになりました。
まだまだ課題は山積み、問題行動も一つなくなっては新たに出てくる毎日ですが、いっぺんにではなく、一番気になることからチャレンジするようにしています。


▼ 「洗濯物を干したり、ビーズにひもを通したり、トング型お箸も使えますわよ。」  by すず
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【療育で常に意識していること】
  • 子どもの成長段階をよく見極めて目標設定する。
  • 「やらせたいこと」ではなく、子どもが「やりたい(やりたそうな)こと」をきっかけにライフスキルを教える。
  • 「できないこと」や「やってほしくないこと=問題行動」は、とにかくその原因を探る。身体的な機能の問題か、機能の問題だとどんな動きができるか、精神的な問題ならどうしたら安心感をもってできるかなど。
  • 子どもの特性を考えて伝え方を工夫する。すずは、聴覚優位なところもあるので、視覚支援とともに必ず音(リズムやメロディをつけて)も添えて伝えている。
  • 毎日のことだから、親も子も無理しない。少しだけがんばればできるレベルに目標設定して、小さな成功体験をたくさん積んで親子で笑顔になる程度にがんばる。
  • まだ無理だな、と思ったら設定を変える。(ステップ数を増やして一つずつクリアしていく「スモールステップ」で)
  • できかけているタイミングでやや早めにほめる、ほめるときにはことばだけでなくスキンシップを添えてわかりやすくほめる。
  • 専門家に、すずのようすの詳細(行動の前後や環境)と自分の考えや対応について聞いてもらい、アドバイスをもらう。私はOTやST、心理士の先生の接し方から学ぶことが多かったです。
  • 療育方針については母親が検討判断しなければならないことが多いけど、誰も正解はわからないので、母親の勘(子どもと向き合って観察して感じ取った上での勘)で決めればいい、効果がないと感じたら施設や方法を生活に無理のない範囲でまた考え直せばいい。私は、すずの笑顔や目の輝きを見てこれは効果あるかも、とか、自分がこんなにイライラするんじゃすずにも悪影響だからここまでにしよう、などと自問自答しながら軌道修正している

今も毎日悩みながらの子育て、療育ですが、すずの障害を理解してくれている、理解しようとしてくれている学校の先生や支援者さんが、原因や対応策を一緒に考えてくださることがとても心強く、すずの成長の大きな支えになっていると感じています。先生、支援者のみなさま、本当にありがとうございます!
私が住んでいる地域は、まだまだ発達障害については医療難民、福祉難民なので、医師や心理士、言語聴覚士に相談できる機会や施設がほとんどないのはとても残念ですが、学校の先生や支援者のみなさんに助けていただきながら、試行錯誤していきたいと思います。


# by take-suzu_2016 | 2019-09-10 10:49 | 療育 | Comments(1)

保育園(幼稚園)・療育施設選び、今思うこと。

感覚過敏があったり、コミュニケーションをとるのが苦手な自閉症・発達障害のある子にとって、はじめての集団生活の場である保育環境はとても重要。
健常児(定型発達児)さんと触れ合える保育園(幼稚園)がいいか、療育施設がいいか、併用がいいか、悩みますよね。
もう9年も前の話ですし、市町によって環境はさまざまですが、わが家の例を。

わが家は一般の保育園しか選択肢がなかった
当時、私は正社員、パパはフリーライターだったので、会社を辞めたくても家計的にそれはかなわず、すずを1歳半で保育園に入園させるしかありませんでした。
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療育施設も検討しましたが、市には当時親子通所の療育幼稚園しかなく正社員勤務の私には不可能。
少し離れた市にある療育保育園に預けるほどの自閉症の強い症状はまだなく、診断も出ていなくて、すずを連れて子育て支援課に相談しましたが、「療育保育園でなくても大丈夫では? 今その療育保育園は多動性のある男の子が多いので、おとなしいすずちゃんにはつらい環境かも」とアドバイスをもらい(当時のすずは多動性もパニックもなくおとなしかったんです)、家や職場から遠かったのもあって、その療育保育園の選択肢は消去。
「障害児保育あり」と市が認定(助成)している保育園に預ける以外選択肢はなかったのです。

会社の復帰時期は子どもの1歳の誕生日後の4月1日と決まっていましたし、まだ私一人が自閉症かもしれないと疑っていただけで診断も出ていなかったので、「保育園以外に選択肢はないよ。しかたないよ。」と自分に言い聞かせて入園させました。

入園後、すずが集団生活についていけないようす、他の子よりかなり成長が遅いようすを見て、毎日ひっそりお風呂(お湯の中)で泣きながら「これでいいんだろうか。ちゃんと育って行くんだろうか」と悩みました。

軌道修正もできる。まずは専門家の意見+母の勘+母の負担感で決める
3歳で自閉症スペクトラムという診断が出てから、療育保育園についてまた調べ始めました。
ホームページを見て、以前からいいなあと思っていた隣町の私立の療育保育園が、週に数日なら入園できそうと聞き、検討したのですが、日中一時支援をつけて延長しても9時〜16時半までだったので、正社員勤務の私たち(その頃はパパも会社員になっていた)には送迎不可能…。
悩んでいたころ、とびひで診てもらった信頼しているかかりつけの小児科の先生が、子育ての困難さを察してくださって、「おかあさん、そろそろすずちゃん、療育保育園に行った方がいいんじゃない?困ることも出てきたんじゃない?」と声をかけてくれました。
パパの実家が療育保育園に近かったので、じいじ・ばあばに週2日、送迎をお願いして(私たちは実家に送迎して)、と考えたことはあったけど、言い出せずにいた私の背中をポンと押してくれたのです。じいじばあばもいいよ、と言ってくれて、年中からは公立保育園と療育保育園を併用することになりました。(じいじ・ばあばに感謝です)
年長のときは、療育保育園から「週5日でも預かれますよ」と言われたのですが、その頃には公立保育園で障害のないお友だちと過ごすことの効果も感じていたので、両方の園の先生と作業療法士さん、言語聴覚士さんに相談して、療育保育園の割合を増やしつつ、併用を続けました。

3歳の初診で軽中度の知的障害と自閉症スペクトラムだったのが、5歳で重度知的障害と診断されたので、就学時はそれこそ選択肢はなく、特別支援学校に決まりました。今小4(2019年7月現在)ですが、毎日楽しく通っています。

専門知識よりもマインドがあるかどうかが大切
今になって思うのは、「保育の場は、子どもに合わないなと思ったら途中で変更したり児童発達支援サービスで療育を追加したりして軌道修正もできる。そもそも定型発達児ではないので、やってみないとどんな環境がどんな成長をもたらすかは誰にもわからないし、定型発達児さんよりもゆっくり育っていくので、そんなにはじめの選択で不安や焦りやプレッシャーを感じなくてもよかったな」ということ。

それと、「どんな種類の園を選ぶか」よりも、「理解して支援してくださる保育者がいるか」の方が大切、「専門知識が高いこと」よりも「専門知識がなくても、親とともに学び、対応策を試行錯誤してくれる意識(マインド)が高いこと」が大切で、保育者の理解・マインドがあれば、専門の施設でなくても理解を深めて支援方法を模索していけば子どもは伸びるんだ、ということを実感しています。

園を選ぶときに自分が理想的だと思っていた「療育保育園に毎日通わせてあげること」はできなかったし、できる状態になってもしなかったけれど、保育園・療育保育園の両方の先生方の理解とマインドのおかげで「一人で育てるんじゃない、みんなで育てていけばいい」「一緒に学び、悩み、対応してくれる人がいる」という安心感をもらい、悩みながらも親子ともに楽しい日々を送ることができました。すずも、少しずつですが、思いもよらない成長を見せてくれました。
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私が感じた保育園、療育保育園のメリット・デメリット
公立保育園と療育保育園の両方に通わせてもらった経験者として、それぞれのメリット・デメリット(あくまですずと私の場合ですが)を挙げると、

【公立保育園のメリット】
・まわりにたくさん定型発達のお子さんがいるので、視覚的な記憶力を活かして模倣することでできることが増えた。
 (大人の模倣より子どもたちの模倣で覚えることが多かった)
・定型発達のお子さんは、すずのことをある程度理解して、音や触覚の過敏さに気をつかってくれることもあったので、落ち着いた環境で過ごせた。(障害がある子同士だと、お互いのパニックにつられてパニックを起こすことも)
・家以外にも地域に安全安心な場ができた。
・集団のなかでの動きを察して動けるようになった。
・療育保育園よりもたくさんの人数で過ごすことが多いので、少しずつ音過敏などにも慣れてきた。
デメリットは、心の持ちようや性格にもよりますが、まわりのお子さんと比較してしまうと親がつらい気持ちになる、他の保護者への理解を得るために努力や勇気が必要、まわりのお子さんに迷惑がかからないかヒヤヒヤする、園外行事などは付き添うことが多く正社員だとスケジュールが厳しい、といった感じでしょうか。

【療育保育園のメリット】
・絵カードによる指示、スケジュール提示など、構造化がしっかりされた環境で、指示が頭に入りやすい。
・先生とマンツーマンに近い形でトイレトレーニングや着替え、食事の訓練をしてもらえる。
・障害や療育の知識・経験があり、理解してもらいやすい、一緒に問題解決策を考えてもらえる。
・障害児の親同士で悩みや情報を共有できる。(障害理解のある病院情報などはとてもありがたかった)
デメリットは、大人との関わりが多くて安心だけど子ども同士の関わりが少ない(関わりが苦手なお子さんが多いので)、障害のことを日々地域の同世代の子どもたちや保護者に知ってもらう機会にならない、障害児の親だけでかたまってしまうと視野や行動範囲がせまくなる恐れがある、などでしょうか。それも心の持ちようや性格にもよると思いますが。

すずは、「保育所等訪問支援」という福祉サービスを受け、療育保育園の先生が公立保育園に行って、専門的なアドバイスをしてくださいました。
それと、公立保育園の加配の先生が、病院での作業療法、言語聴覚療法を見にきてくれました(親が病院にリハビリ見学の申請すればできる)。2つの園と家庭が連携して支援方法を統一できので、両方のメリットが活かされ、どちらも楽しく通うことができました。

▼公立保育園と療育保育園、2つの園を笑顔で卒園
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親子が今、毎日笑顔でいられる環境を選ぼう
あくまで私の個人的な意見ですが、保育の場の最初の選択は、

1)専門家(保健士、心理士、作業療法士、言語聴覚士、小児発達の専門医など)に
  どんな環境でどんな保育(教育)をするといいか相談して、それぞれの視点からの意見を聞く
2)母(=もっとも関わる時間の多い保護者。以下同)の勘(どんな環境が今のわが子に合うと感じるか)
3)母が送迎する負担
4)母が意思疎通しやすいか、信頼できる支援者がいるか

を踏まえて決めるといいのではないかと思います。
そして、どこに入園するにせよ、支援してくださる方としっかりと意思疎通し、家庭と園が連携して、子どもにとってよい環境をつくっていくことが大切だと思います。就学先、放課後デイサービス選びも同様です。
通常学級、特別支援学級、特別支援学校を決めるのは、子どもの知的能力や身辺自立度は考慮しますが、それよりも「母と子が一番笑顔になれる環境はどこか」(理解者・支援者がいるか)がポイントだと思います。
実は、脳の機能はある程度生まれつき決まっている部分が多いので、学力なんてあとからでも伸びます。
幼いときから安定した情緒や社会性、自己肯定感をしっかりと身につけていれば、落ち着いてきてから勉強しはじめても、ちゃんと習得できるんです。
だからこそ、幼いうちは、とにかく情緒の安定、つまり、親以外の人とも安心して過ごせること、家以外でも安心していられること、人を信頼する気持ちを育むこと、人といる楽しさを味わうこと、自己肯定感をもつことが大切なんです。(編集の仕事をしていたころ、たくさんの方に取材してきて、短期間でしたが人事の仕事で採用教育に携わってきての実感です。)

療育や特別支援教育を受けることは、その子に合った環境・手法で子育てすること。何も恥ずかしいことではない
講演をさせていただいていると、親が世間体を気にして、障害があると思われたくない、思いたくないために、また、学力を重視しすぎて、障害がないものとして一般の幼稚園・保育園に入園させる、小学校だと通常学級に所属させる、といった例がたくさん聞かれます。
その結果、自分の特性(障害特性)に合った環境づくりや支援をしてもらえない状況に長く置かれた子ども本人が毎日つらい思いや無理をして、二次障害として暴力的になったり、不登校になったり、うつ状態になったり、自己肯定感を持てなくなったり、という切ない結果をたくさん耳にしますし、私の身近にもそういう人がいます。

子どもに障害があること、障害でなくても課題となる特性があることを認めず、療育施設、特別支援学級に入れたがらない親御さんには、障害があることが将来の就職で不利になるのではないか(=普通高校卒の学歴がほしい)、ということや、きょうだいが偏見や差別で苦しまないか、という気持ちがあるのかもしれませんが、もっとも将来の就職に支障が出るケースは、いわゆる「普通の子(定型発達の子)の型に押し込んで療育や特別支援教育を受けてこなかったことで、学力や生活スキルなどの能力はあるのに情緒面に問題が出る、感情コントロールできない、社会に適応しない、という場合です。

普通の子として育てられてきたので療育手帳もなく、福祉サービスも受けられず、障害者雇用枠にも適用されず、障害年金ももらえない、でも一般雇用ではうかくいかない、何より、「どうして自分はこんなに怒られてばかりなんだろう。みんなと同じことができないんだろう」と自己肯定感を持てなくてつらかった、もっと早くに親が障害であることを認めてほしかった、というようなお話を、絵本の感想コメントや講演の座談会で、30代以上の当事者から何度も聞きました。
また、きょうだいのために、障害のある子の障害を隠す、周りからはわからないようにすること自体が偏見や差別ではないかと感じます。障害は誰のせいでもないので、本人はもちろん、親もきょうだいも、堂々としていてほしいと思います。障害の症状によって迷惑をかけてしまうことが多いので、周りへのお詫びや感謝の気持ちは表しつつも、恥じることなく自然にしていてほしいのです。

障害があるお子さんを育てているおかあさん、ご家族のみなさん。
どうか、環境を選ぶときには、「将来」の学力とか世間体とかではなく、「今、親子が毎日笑顔でいられる環境」を強く意識して選んでください。今笑顔でいられなければ、笑顔の将来なんてありません。
そして、あら?合わないかな?と感じたら、専門家や先輩ママに相談して軌道修正すればいいというやわらかい覚悟をもってください。

大丈夫。信頼できる理解者・支援者がいる環境なら、少しずつでも子どもは必ず成長します。
子どもの障害による症状、課題があるという事実は変わらなくても、理解者・支援者がいれば、親はその対応策をあきらめずに工夫する意欲が保て、環境はよくなっていきます。親の情緒が安定し、環境もよくなれば、子どもの自傷・他害・パニックも少しずつ減っていきます。
すずも、小4になって、かなり待つことや自ら動くことができるようになり、意味のある発語が増え、パニックもぐっと減りました。
わが家の一例にすぎませんが、園選びに悩む方のヒントになればと思います。
私も、これからも進路選択、居場所選びに悩み続けると思いますが、一緒に悩んでくれる理解者・支援者を見つけて相談しながら一つひとつ進んでいこうと思っています。

それにしてもすず、小4現在、職業につながるような才能・能力はまだ見当たらず、身辺自立もままならず、知的障害も直近のものでは最重度との判定・・・。
字面だけ見ると前途多難ですけど、なんか毎日親子ともに笑って暮らしているからいいかな (^_^;)
笑顔の毎日を積み重ねれば、笑顔あふれる人生になりますもんね。1日1日、こつこつと。

▼特別支援学校の参観日。生活単元のお祭りの授業でにっこり。
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# by take-suzu_2016 | 2019-07-22 16:29 | 保育園まで | Comments(2)

すずちゃんののうみそに「分かる」ように。

沼津市戸田(旧戸田村)出身の佐藤雅彦さんが、地元沼津で講演されるというので、夫婦で行ってきました。
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講演のタイトルは「分かってもらうための方法」

言語能力(理解も発語も)がかなり低いすず(発達検査では最重度)に、何かを分かってもらうには、ことばではなく、「すずちゃんののうみそ」に直接働き掛けるような、のうみそがそうせざるを得ないような方法で伝えなくては!と日々試行錯誤している私にとって、また、小さな会社ではありましたが長年プロモーションや広報を担当させてもらい、人に「分かってもらう」「伝わる」方法を模索してきた私にとって、この上なく魅力的なタイトル!
何より、覚えずにはいられないCMや番組など、佐藤さんの表現が大好きなので、すぐにチケットを購入しました。(一緒に行った友人が手配してくれました)
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おだやかな口調で、数々のヒットCM、番組の作り方とその根拠をお話してくれる佐藤さん。
今回の講演を聴いて、ここまで認知科学的な緻密な工夫をされて成り立っていたんだなあ、なるほどすぐ覚えられるわけだ!と赤べこのようにうなずきまくりの2時間でした。

すずもNHKのEテレの中でも、ピタゴラスイッチや0655などが大好きで、ことばを理解できないのに、その割には「おもしろさ」を分かっているようで、耳から入ってくる情報(音、リズム)と目から入ってくる情報から、思いの外多くのことを認知して楽しんでいるように日々感じていました。
ことばで理解していないこと、概念を、どうやって認知しているのだろう?と観察していると、ことばよりも先に、すずちゃんののうみそが反応している、と感じる瞬間が多々ありました。
知能指数や発達指数でははかりしれない、すずの「察する力」。
そこに働きかけることで、知的障害が最重度と言われる割には、日常生活や人とのコミュニケーションが取れるようになってきている気がする、ことばでわからなくても、すずちゃんののうみそは、確かに反応している、そんなことをぼんやりと意識して、伝えるときのリズムや音程、ことばとともに添える絵や写真の大きさ、配置、見せるタイミング、順序などに気を配ってきました。

その、本当にそうなのか確信なく意識してきたことが、この2時間の講演で、すっきりと整理されました。
誰もが、瞬間的に、楽しく、「分かる」方法。
ことばで長々説明しなくても「分かってしまう」伝え方。
その鍵は、講演中の、

「あなたが分かっていなくても、あなたの脳は分かっている」

ということばに集約されていました。
そう。ことばとして認知できなないのに、すずちゃんののうみそは分かっている気がする、という確信のない感覚が、認知科学的な根拠のある事実なのだと分かったのです。
佐藤さんが取り組んでいらっしゃる算数の映像教科書のみならず、知的障害・発達障害のある子どもたちの療育にも、もっともっと活用されるようになってほしい視点です。

抗えない「分かる」・・・すずちゃんののうみそがそうせざるを得ないように働きかける
発見する「分かる」・・・すずちゃんののうみそが気づいて楽しくなるように働きかける

子育てに行き詰まったら、佐藤さんのお話にあった、この2つの「分かる」をイメージしてがんばろう。備忘録、備忘録。これ、障害児教育にかかわらず、すべてに当てはまるすばらしい視点ですよ。

佐藤雅彦さん、きちんとした根拠と理論と解説で、難易度の高い自閉っ子の子育て指針が「分かる」ようにしていただいて、本当にありがとうございました。




# by take-suzu_2016 | 2019-04-16 11:24 | 療育 | Comments(0)

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