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美しいモノ、おもしろいコト、あたたかいヒト。 重度知的障害を伴う自閉症スペクトラムの娘すずとの暮らしは、 それらを発見する小さな喜びにあふれる毎日です。 笑いと涙がてんこ盛の日々を気まぐれに綴ります。


by suzu-mama

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「同じ」って、うれしい。「違う」って、たのしい。〜 絵本「すずちゃんののうみそ」岩崎書店から出版〜

すてきなご縁がつながって、
2016年3月に自費出版した紙芝居「すずちゃんののうみそ」が、2018年1月、岩崎書店から、絵本となって出版されました。
 「同じ」って、うれしい。「違う」って、たのしい。〜 絵本「すずちゃんののうみそ」岩崎書店から出版〜_f0368771_09412954.jpeg
紙芝居は、50部刷って10冊献本。口コミで購入したいというお話しをいただき、原価ギリギリで販売するとすぐに完売。
2刷めからは、100部ずつ刷りましたが、第4刷まで刷って、300部ほど売れ、残り50部弱となりました。
「絵本として、文字と絵を一緒に見たい」
「紙芝居だとばらけてしまうので絵本にしてほしい」
などと絵本化のご要望をいただくようになったのですが、上製本の絵本となると、自費出版するには制作費が高く、販売数が確保できないと赤字になってしまうので、自費出版の受け入れのある出版社さんを探し始めました。
自費で刷るけど販売経路は確保してくれる、という出版社さんです。

ネットで調べ始めたころ、以前、イラストレーターの葉苗さんから、ブックデザイナーさんが紙芝居を仲の良い絵本の編集者さんに「読んでみて」と送ってくれたところ、「自費出版というので素朴な作品かと思っていたけどいい作品ですね、これが絵本になっていないなんて」とほめてくれたよ、と言っていたことを思い出しました。
確か岩崎書店さんだったよなあと思い、その編集者さんのお名前と連絡先を聞き、自費出版の相談をしたい、とメールしてみたのです。

編集者の佐々木幹子さんは、すぐに会いに来てくださって(2017年4月)、「これなら自費出版ではなく、社内の企画として通ると思います。すぐに企画書を出します」と言ってくださいました。
「企画が通らなかったらすぐに電話しますから、他の出版社に持ち込んでみてください。きっと通りますよ」とも言ってくださったので、お会いして2週間ほどで電話がかかってきたときには、「ああ、ダメだったかあ」と思いました。
が、「早くお知らせしたくて電話しました。企画が通って、来年出版することになりました!異例の早さですよ」と言ってくださったのです。

それからはあっという間でした。
一度講演を聞いて感銘を受けた児童精神科医の宇野洋太先生が医学監修を受けてくださり、ハーバード大学マクレーン病院に海外赴任中でお忙しいなか、丁寧に見てくださって本文と解説を少し改編して、このご縁をつないでくださったブックデザイナー椎名麻美さんに、すてきなデザインをしていただいて、2018年1月18日、発売となったのです。

紙芝居を作ってすずの卒園前にお友だちの前で読んでから、2年足らずでこんなにすてきな絵本にしていただけるなんて!
色校を見ても、本が納品されても、仕上がった喜びはあるものの、全国の書店やネット書店でご購入いただける状況である、という実感が湧かず、はじめは自費出版のような感じでしたが、判型もB4変型と大きく、紙も色鉛筆で描かれた原画が活きる質感で、紙芝居と違って原画の背景を活かしたブックデザインで、本当にすてきな絵本に仕上げていただき、見本納品されたときには、一人、「わあ〜、わあ〜」と声を上げてページをめくりました。
発売から19日目に重版(増刷)が決まったのも異例の速さとのことで、やっと全国の方に見ていただける出版されたんだ、という実感が湧いてきました。

多くの方に読んでいただけますように。


「同じ」って、うれしい。
「違う」って、たのしい。


保育園の子どもたちが教えてくれたことって、そういうことだと思うんです。
すずが4年間ともに過ごした公立保育園のお友だちは、シンプルだけど、「人と人が一緒に生きて行く上で大切なこと」を教えてくれました。
自分とすずとの違いを、毎日一緒にいるなかで感じ、受け入れ、違うところは「すずちゃん、おもしろい!」と笑い、同じところを見つけては「すずちゃん、私と同じ!」と喜んでくれました。
子どもたちと、そういう環境を作ってくださった先生や保護者のみなさま。あらためて、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。

↓ 紙芝居制作に関する詳細はこちら


by take-suzu_2016 | 2018-02-18 10:56 | 絵本「すずちゃんののうみそ」 | Comments(4)
Commented by さやパマ at 2019-04-29 08:25 x
すずちゃんと、うちのさやちゃん。。。まったく同じ!と家族で興奮してみてました。うれしい!
テレビの姿、笑方、仕草。。びっくり。
子育て大変だけど、イライラすることあるけど、可愛い娘です。

こうやって、絵本にして見える化してくださり感謝ですm(_ _)m皆様に、子供を理解していただく一つとして読み聞かせしようと思います。
Commented by take-suzu_2016 at 2019-05-13 14:51
> さやパマさん
さやちゃん、すずと似ているなんてうれしいです。
本当に、イライラも多いけど、ゲラゲラも多い毎日です。
すずの保育園のお友だちに向けて作った紙芝居(自費出版)が、まさか絵本化されて、全国やアジアの方に読んでいただけるようになるなんて思ってもみませんでした。
絵本を買ってくださったり、読み聞かせしてくださる方が増えて本当にありがたくて、私の方こそ感謝です(^_^)
Commented by gousaki1008 at 2019-06-23 16:47
はじめまして。京都在住で重度の自閉症&知的障がいを持つ娘がいます。娘は支援学校の小学3年生になりました。
最近、やりきれない程に娘が荒れていて、なんとなくブログを見つけて読ませていただきました。共感いっぱいです。
これからも読ませていただきますので宜しくお願い致します。
Commented by take-suzu_2016 at 2019-07-22 11:45
> gousaki1008さん
はじめまして。
ブログ、読んでくださってありがとうございます。絵本「すずちゃんののうみそ」(岩崎書店)が発刊されて一年半ですが、思いの外たくさんの方から感想などをいただき、講演もさせていただくことが増え、久しぶりにブログを見ました(^_^;) 返信コメント遅くなってすみません。
やりきれないとき、ありますよね。
娘が荒れているときは、娘がかなりつらいときなんだと心に言い聞かせ、想像力をふくらませてつらさの原因を探り、取り除く(興味をそらして別の心地よい刺激を与える)ことに意識を集中して切り抜けています。うまく行って娘が笑ってくれるとそれが励みになって。
それと、ちょっと好きなことをしたりさぼったりして、毎日プチストレス発散をしています。
季節の変わり目は自閉っ子にとってつらい時期。親も子も無理せず行きましょう〜。

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